徳野管理栄養士の栄養士コラム。
今月は6月に保護者の皆さんにお配りしたものを一部抜粋して掲載します。
平成23年6月13日
Dave Baseball Academy
栄養レター
適切な食環境づくり
東日本大震災が発生してほぼ3か月が過ぎました。私ごとですが、5月の中旬と6月初めに計6日間、岩手県の大船渡市と陸前高田市に災害栄養活動のボランティアに行ってきました。陸前高田市は、震源地からもっとも近い市であり、町全体が平地で近くにほとんど高台がありませんでした。そのため、被害状況は岩手県の中では一番大きいところです。自然の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。震災にあわれた方々に心より謹んでお見舞い申し上げます。
現在は、落ち着きライフラインもかなり復旧し、食事を作る環境は整えつつあります。食材の配給も行われています。
しかし、食材が平等に配布されなかったり、自分の食べたいものは送られてこなかったり、調理をしたくても調味料が十分になかったり、被災場所の人数が多いために、十分な皿数の料理を準備できなかったりと、何かを食べるということがとても難しい環境でした。 そのような中で、がんばって食事を作り、食べている避難場所の方々と、食事作りの環境が不十分なため、思うように食事をとることができない避難場所の方々とでは、体調、とくにがんばる気力に違いがでてきているように感じました。そんな中、私は食事環境を整えるボランティア活動に行ってきました。
さて、このような食事環境を整えることの重要性は、スポーツ選手を育てる食事環境にも通ずることがあるのではないでしょうか。子供たち自身の食意識を高めていくことは大切ではありますが、その前に、保護者の方々や関係スタップの方により子供たちが適切な食事ができる環境を整えることが大切だと思います。食事は与えたから食べるものではありません。食材から出発して、人がごっくんと飲み込んでくれるその段階までに、細かい段階が重なって人はごっくんと食事をするのだと改めで痛感しました。
ごっくんと食べるまでに。 どんな段階があるでしょう。
1.おいしいと感じられる食材選び
2.食材の組み合わせ
3.食材の味付け方法
4.おいしく食べるための調理方法(焼くなど)
5.盛り付け方
6.食べる時間
7.食べる雰囲気
8。いっしょに食べる人?
9.食べる場所
10.調理ができる環境
11.近所に適切な食品が購入できるお店は?
12.適切な食事に対するアドバスをしてくれる人は?
思いつくままに書いてみました。適切な食事をするためにいくつの項目を満たすことができますか?
もう一度子供たちが喜んでおいしく適切な食事がとれる環境であるか確認してみるのはどうでしょうか?
管理栄養士 徳野 裕子