栄養士コラムVol.11

今月は10月に保護者の方々にお配りしたものの一部をアップ致します。

 

平成23年10月16日

Dave Baseball Academy 

栄養レター

 

 今だからマグネシウム

 

 これから少しずつ一つの栄養素に注目した栄養レターを書いていきたいと思います。その最初の栄養素は“マグネシウム(Mg)”です。

マグネシウムは、重要な“主要ミネラル”。漢字で“鎂”と表記されます。

1.体内に存在するMg(平均25g)の約60%が骨・歯の構成成分として存在。

2.体が上手く機能するために必要な325種類以上の酵素活性をMgは維持。

 ☆酵素(こうそ)とは、生体でおこる化学反応に対して触媒として機能する分子(Wikipediaより)

 ☆簡単に言うと、洗剤などで聞かれる“酵素パワー” たんぱく質を基に構成されている。

 ☆酵素は、体内で作られるものもあれば、食品からとらなければならなく、体内には約2500種類以上酵素が働いているとも言われている。

3.高エネルギー(ATP)産生過程で重要

 ☆エネルギー(ATP)を作るために私たち日々食事をしていますが、ATPを作る方法や強さに、食事の質が大切になるのです。

4.細胞膜に存在するイオンチャンネルに作用し細胞内のカルシウム(Ca)過剰蓄積を抑制する働き。⇒ “自然のCa拮抗薬”つまり、Caが多すぎてMgが少ないと×

 ☆日本(2007年)の食事では、Ca/Mg比=1.97  

  乳製品を多くとる国アメリカ、オランダはCa/Mg比が3以上⇒虚血性心疾患が増える原因

 ☆現在は日本人食事摂取基準(2010年版)ではCa:Mg=2:1が推奨されています。

5.筋収縮・弛緩、神経興奮伝達、核酸合成、ホルモン合成にMgは重要な働き。

 思春期までは、筋肉と神経細胞を結びつけることが将来の筋肉の運動能力に関係します。そのためにもMgがとても大切です。筋肉と神経細胞を結びつけるゴールドエイジは10歳から13歳。

6.インスリン抵抗性のメカニズムの中にもマグネシウムが関係

↓ 糖尿病予防にも大切

Mg不足が2型糖尿病を引き起こす引き金になる(遺伝性ではない糖尿病)

 横田邦信「日本人2型糖尿病発症へのマグネシウム(Mg)の関与」

日本臨床栄養学会雑誌,p301-,2007より

 横田先生は、虚血性心疾患予防からですが、1972年塩田法廃止によりにがりを使用しなくなったことで、Mg不足を引き起こしているとも言われています。その後、1997(平成9)年塩の製造販売自由化がおこり現在に至っています。岩塩など様々な塩やにがり(ただし取り過ぎには注意)を使うことが効果的です。

マグネシウムを含む食品

 マグネシウムは、基本ほとんどの食品に含まれています。青魚や牡蠣やエビ類などの魚介類、のりやひじきやわかめなどの海藻、大豆製品、そして大麦や雑穀などの穀類。

 その中で、注目はナッツ類です。お子さんのちょっとしたお菓子、また胡麻和えなどの料理としてナッツ類を使ってみてください。ここに書かれていない種実類にもMgは含まれています。

食品名  mg/100g 食品名  mg/100g
ひまわり  390mg らっかせい  200mg
ごま  360mg ヘーゼルナッツ  160mg
アーモンド  270mg ピスタチオ  120mg
カシューナッツ  240mg  

 

管理栄養士 徳野 裕子