月: 2018年3月

栄養士コラムVol.24

 8期生の皆さん ご卒業おめでとうございます。

栄養について、最近はとても意識される選手や保護者の方が多くなられたと思います。

 2018年冬の平昌オリンピックでは、過去最高のメダルがでました。2009年、オリンピックでの活躍が益々社会性を帯びていることから、右のような言葉が発表されました。

韓国でも、平和の祭典がとても意識されたオリンピックだったと思います。アスリートの方々は、大変な努力の成果を私たちに見せてくれました。

食事管理で言えば、スピードスケートの金・銀・銅のメダルをとられた高木美帆選手は、9か月間食事の写真を通して栄養管理が行われました。その数800枚以上だったそうです。500m金メダリストの小平奈緒選手は、同じ所属チームの元オリンピアの栄養士さんがついて歩かれたそうです。

スピードスケートは、持久力を必要とする競技のため、食事管理が顕著に結果に結びつくかもしれません。ただ私が考えるアスリートの食事管理は、

食事管理が十分でき、練習試合や、試合を行うことが出来た時、

 体力には問題がない分、自分の精神面や技術面の欠点を見つけやすい。

そして改善することで、

体、力、技術、精神といったすべての面が総合的に完成し、結果優勝できる。

 これが、なぜアスリートにとって食事管理が必要であるかの意味だと思います。

3年生は、これで最後の栄養サポートです。不明なことがありましたら、ぜひ卒業後も尋ねてもらえればと思います。

〇アスリートにおける栄養ポイント

1.筋肉は約3か月、血液は約4か月、骨は2~3年で生まれ変わります。

毎日私たちの体は、作り変えられているのです!

2.骨は、自分の今の年齢よりも強い場合と弱い場合が人によってあります。

だからこそ、カルシウムをしっかり摂取する必要があります。

でも、牛乳やヨーグルトやチーズといった乳製品だけに頼らないでください。

小魚や、小松菜といった野菜、大豆製品なども摂取するようにしましょう。

納豆を50回以上まぜ、ねばねばする食品(オクラ、もずく、茎わかめ)や魚(マグロやちりめんじゃこ)、卵黄と一緒に時々は食べましょう。

カルシウムの吸収をより良くするビタミンDなども一緒にとるようにしましょう。

睡眠をしっかりとりましょう。成長ホルモンもカルシウム吸収に重要な働きをします。

3.嫌いなものを食べるようにしましょう。

  バランスの良い食事を心がけましょうと言われますが、嫌いな食べ物や、日ごろとは違う食事をしてみましょう。

ふと気が付いた時に、日ごろ食べていないものはないか確認し、その食品を食べましょう。

4. 見える食品だけでなく、見えないところからの栄養を取ることを心がけましょう。

  日本は、だしの文化があります。様々な出しを上手く利用しましょう。

 〇鰹節からのだしづくり

   時々贅沢なだしでお汁をつくりませんか。

   1リットルの水に鰹節30g  (にんべんのホームページをご参考ください)

①水が沸騰したら火をとめ、30グラムの鰹節をくわえる。

②鰹節が沈むのを待つ(約1分)。その後、ざるでこします。

*こす時に、決してふったり、お箸で抑えたりしないようにしましょう。魚の臭みがでます。

③その残った鰹節は、ふりかけにしてすべて食べましょう。

(水分を十分きって炒め、調味(みりん大さじ2、醤油大さじ2、砂糖大さじ2)します。)

〇ガラスープづくり

 とりのガラ1パック、水2リットル、ネギの青い部分少々、生姜の薄切り3枚

①ガラの血合いなどは水洗いできれいにします。

②鍋に水とガラとネギと生姜をくわえて火をつけます。

*水の量は、ガラの状況にもよります。3リットルでも大丈夫かと思います。

③鍋の内側に泡があがってきたら、中火にします。決してぐつぐつと強火にしないでください。

④20分たったら火を消してください。すぐにガラを取りださなくても大丈夫です。

ケガをされることなく、ご活躍されることを心よりお祈り致します。 

公認スポーツ栄養士、管理栄養士 德野 裕子