月: 2018年12月

栄養士コラムVol.25

ご無沙汰しております。今年もあと僅かですが、この1年間の選手の皆さんの成長ぶりはいかがでしょうか。

成長とは、まさに身体の形成的変化のことを言います。身長や体重や座高などが変化することを成長といいます。そして、機能的な変化のことを発達といいます。精神機能や運動機能、生理機能が上達することを意味します。そして、これら両方を合わせた意味を発育と言います。

この1年間の選手の皆さんの発育は、どのくらいありましたか?

毎年、1度の栄養相談の時期に一番多い質問は、身長と体重、つまり成長のことについてのご相談です。まさに栄養と直結する内容です。どんな食事や、どんなサプリメントが成長に効きますか?というご質問です。その質問に答える前に、必ず以下のことを私は心がけています。もちろん例外的なこともありますが、多くのお子さんが当てはまることが多いです。

①そのお子さんの遺伝的素因はどうですか? だいたいですが、以下の式を使って計算をします。

   男の子   【父の身長(㎝)+母の身長(㎝)+13㎝】÷2㎝

   女の子   【父の身長(㎝)-13㎝+母の身長(㎝)】÷2㎝

  あくまでも予測値ですが、この数字の±4㎝の範囲がお子さんの身長の遺伝的素因の可能性です。

ただし、+4㎝は、やはり成長させる努力が必要です。

②今の成長のスピードは適正ですか?

  学校保健統計調査報告書から提供されている成長曲線を使うことで、お子さんの成長のスピードを確認することができます。

 成長時期をきちんと利用すると、50パーセントタイル値が75パーセントタイル値にも90パーセンタイル値にも変化します。97パーセントタイル値にいる選手は、同じ年の集団で、全体3%のとても大きい選手であることを意味します。体重と身長が同じパーセンタイル値にある時は、最もバランスがとれた体です。

最近の選手は、遺伝的素因よりも小さい選手が増えています!

原因は、生活環境の乱れ、食事量不足、食事の質の悪さ、良質な睡眠不足などが挙げられます。受動喫煙も成長できない大きな要因であることも注意してください。

ご存知ですか?「3・1・2弁当法」

もともとは、右の図のように体と心とくらしと環境に健康な1食として開発された方法です。

基本は、1ml=1kcalです。900ml=900kcalがおおよそ成り立つのです。私の研究室では、「1㎏弁当」を研究してきました。重量を中心にお弁当をつくり、栄養価計算をすると確かに1000kcal前後のお弁当が出来上がります。特に、ご飯の量をきちんと右の図のように決めること。

1㎏のお弁当の時には、半分の500gを飯にすることが大切です。そして、程よくおかずを加えることがエネルギーを多く取れるようにする秘訣です。料理が動かないようにしっかり詰めることも大切です。

でも何よりも大切なことは、彩よく美味しそうに、きれいなお弁当にるすことがポイントです。

ただ、1㎏を作るとなるとかなり大変な作業になります。そこへきて彩よく美味しそうに見えるお弁当は手間暇かかってしまいます。

ご飯の白、〇野菜やおかずの赤、〇野菜の緑、〇卵などの黄色、〇煮物や揚げ物の茶色

と考えてみてはいかがでしょうか!

 食欲がないお子さんは、お菓子の食べ方に注意が必要かもしれません。お菓子の中には、様々な食品添加物や、食欲を抑えてします砂糖類など、脳の食欲中枢を麻痺させ、胃を中心とした消化機能の低下が起こる場合があります。

 アメリカには、「胃が強い人は、ストレスに強い!」ということわざがあります。ストレスを感じられているかもしれません。

 胃を活発化させる食品  あずき、大根、りんご、人参です。

 良質な睡眠には、寝る1時間前には携帯電話や強い光を浴びないようにする。ホットミルクにはちみつを飲んで、軽い運動をしてみてください。朝起きた時の目覚めで確認を!

ご不明なことがありましたら、お気軽にご相談ください。ご参考にいただければ幸です。

公認スポーツ栄養士、管理栄養士 德野 裕子