徳野管理栄養士の『栄養レター』
今月は2月に保護者の皆さんにお配りしたものの一部をアップします。
平成24年2月23日
Dave Baseball Academy
栄養レター
骨を丈夫にしましょう!
“骨を丈夫にするためには、カルシウムをとりましょう。”という言葉は、何度となく聞かれていることと思います。では、“筋肉をしっかりつけるために、骨を丈夫にしましょう!”と言われたらどうでしょうか。
現在、Dave Baseball Academyでは多くのコーチが教えてくださっています。教えていただいている時に、体を見てみてください。以前から、私はプロ野球選手の体型シルエットがあるのではと思っていましたが、どうもそんな気がするのです。
その第一の特徴が、骨格形成だということです。この骨格形成がしっかりした後に、筋肉はついてきます。筋肉がしっかりつき始めるのは思春期からになります。つまり男子では平均11歳6カ月前後、女子では9歳前後からとなります。
一方、骨格は20歳代のピークに向かって成長し続けます。骨格の成長はモデリングとりモデリングからなりたちます。まさに皆さんの骨は、モデリングの時期なのです。成長期に起こるもので、形状変化をともなわずに骨格は大きさを増していきます。りモデリングは、骨格の形状、大きさの変化をともなわずに古い骨を新しい骨で置換する現象のことをいいます。実は骨のりモデリングは、約3カ月の周期で行われているのです。
そして、骨格の中に体内のカルシウムの内99%以上が、リン酸カルシウムと水酸化カルシウムの複合体であるヒドロキシアパタイト[Ca10(PO4)6(OH)2]として貯蓄してあり、骨は巨大なカルシウムの貯蔵庫なのです。ヒトの最大骨量の約50%は遺伝素因で決定され、50%は食事を含む生活習慣の影響を受けます。
従って、小児期や思春期の骨成長にはカルシウムとビタミンDが必須になるのです。でも、これだけとっていれば骨形成が上手くいくというわけではありません。
骨は、カルシウム(骨全体の30%)、コラーゲンたんぱく質(骨全体の25%)、リン、マグネシウムから出来上がっています。従って、ビタミンCはコラーゲン線維を形成するのに必要です。銅はアミノ酸酸化酵素の働きで必要です。骨にはたんぱく質も必要だからです。亜鉛不足になると、骨端閉鎖の遅れおよび骨年齢の遅くれが生じます。ビタミンKもビタミンAも必要です。
つまり、様々な栄養素とカルシウムを摂取した時に効果があるのです。
最後に注意点も
1.カルシウムとリンの摂取のバランスが大切
リンはあらゆる食品に含まれる上に、リン添加物食品も多いためカルシウムよりリン摂取の方が過剰になりやすいです。
2.牛乳中には放射能物質および汚染物質がたまりやすいことも知っておいてください。
カルシウムの多い食品
①牛乳・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト、スキムミルク)
②大豆製品(豆腐、豆乳、きな粉、油揚げ、がんもどき、厚揚げ、大豆の煮豆など)
③小魚(いわし、ししゃも、あみの佃煮、桜えび、いわし、にぼしなど)
④野菜など(小松菜、大根の葉、かぶの葉、菜の花、切干大根、ひじきなど)
カルシウム吸収を補うビタミンDの多い食品
さけ、さば、まぐろの赤身、しいたけ、卵黄、
リン添加物の多い食品
リン酸塩リン酸三ナトリウムが含まれている食品リスト
具入りおにぎり、持ち帰り弁当、調理パン、即席中華麺、スナック麺、ハム、ソーセージ、
ベーコン、冷凍ピッツア、チルドハンバーグ、魚肉練り製品(かまぼこなど)、つくだ煮、
コーンビーフ、冷凍食品(コロッケ)、菓子パン、ビスケット・クッキー、炭酸飲料
リン酸とリン酸ナトリウムを混ぜた物で、品質改良材、結着剤としてよく食品に使われます。
肉製品の保水性をよくするためにもよく使用されます。
ソーセージは、切り込みを入れてお湯でゆがくと添加物を減少させることができます。
即席中華麺は、最近ではカルシウムとのバランスを考え、カルシウムが多く含んでいるものもあります。
お薦めの食品
きな粉 ごはんに片栗粉を少し加えて、小判型にして、トーストなので少し水分を飛ばして、甘いきの粉をまぶした間食用ごはんなどに。
桜えび、酢のものや、お好み焼きなど自宅に常備をすると手軽にカルシウムが取れます。
参考資料 武田英二:骨の栄養:骨はどのようにしてできるか
管理栄養士 徳野 裕子